ノスタルジック Stories


第15回 サントリー1万人の第九コンサート  1997年12月07日  (2024/10/01 掲載)


 今ではすっかり関西の初冬の風物詩になった、サントリー1万人の第九コンサート。
 その記念すべき第1回が開催されたのは1983年。開催に当たっては、大きなホールで1万人がズレなく歌えるのか?とか、そもそも1万人も合唱メンバーが集まるのか?など 懸念も多々あったようですが、サントリー社長(当時)の佐治敬三さんが「おもろい企画や、やってみよ」とスポンサーを引き受けてくださってスタートしたとのことです。
いかにも大阪人らしいエピソードですね。

 このコンサートに出演させて頂いたのは1997年12月、第15回のことでした。
 指揮は山本直純先生、オケは大阪フィル、関西フィル、京都市交響楽団の巨大編成で、ソリストはソプラノ中丸三千繪さん、テノール田代誠さん、バリトン三原剛さん。
 そして、何と言っても1万人の大合唱団。
 これだけの規模ですから、ソリストは当然マイクを通して歌うわけですが、マイクにあまり慣れていなかった私は、リハーサルで自分の声がどれ位の響きで 会場に伝わっているのか分からず戸惑ったりもしました。

 そうして迎えた本番当日。
第一部では、シューベルトのアヴェ・マリアを演奏させて頂きました。

 そして第二部が第九。
1万人の合唱はそれはもう物凄い迫力で、まさに地響き。大地から声が立ち上がっているかのようでした。当時、5千人ほどのお客さんの大半も合唱に参加されていたので、合唱人数は1万人を大きく超えていたと思います。
ベートーヴェンがこの光景を見たらどんな反応をしただろうかと、ふとそんなことも考えてしまう第九演奏会でした。



※映像及び写真は毎日放送記念ビデオ「15th SUNTORY 1万人の第九コンサート」、及びTBS番組「'97 1万人の第九コンサート」より引用させて頂きました。




 
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